こんばんは21世紀

こんばんは21世紀
ジャンル スペシャルドラマ
原作 安部公房
脚本 柾木恭介
演出 若林一郎
田原総一朗
出演者 フランキー堺
観世栄夫
岡本太郎
加賀まりこ
オープニング 別宮貞雄
エンディング 同上
製作
制作 東京12チャンネル
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1964年4月12日
放送時間20:30 - 21:30
放送分60分
回数1
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ポータル 文学
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こんばんは21世紀』(こんばんは にじゅういっせいき)は、安部公房作・構成のテレビドラマ1964年昭和39年)4月12日(日曜日)に東京12チャンネル(現:テレビ東京)開局記念番組として放映された[1]。テレビ東京の社史、『テレビ東京史 20世紀の歩み』では、バラエティに区分されている[2]

あらすじ

21世紀の機械化された法廷裁判長検事席に相当するところにはコンピューターとオッシログラフがあり、それらが発言すると波形が現われる。それと並んでスクリーンがあり、必要に応じて映像が現われる。傍聴席にはマンガの人間たち。突然、機械の検事が、われわれは人間を起訴する、人間はもういらなくなったと示す。それに憤ったフランキー堺が人間を弁護して断固、法廷で闘う。

原始時代の人間の諍いから、大砲を発明した時代、原水爆時代に至るまでの歴史が流れる。検事は、人間が機械を発明したのではなくて、実は機械が人間を使って、進化発展したのだと主張し、わたしたちの先祖の「棒」は人間が機械を育てるのを待っていたのだと言う。検事と弁護人・フランキーは様々な応酬をする。

最後にフランキーは、「宇宙船も電子計算機も、孫の手爪楊枝と同じように、人間の欲望の産物でもあるのです」「かつて人間が幾度か訪れた危機を、みずからを変えることによって、乗りこえてきたように、現在の電子計算機時代、コンピューター時代という危機をくぐり抜けるためには、新しい価値基準をつくりあげる以外に道はありません。それができない人間は、物語としてではなく、現実に機械の裁判を受け、有罪を宣告されるでありましょう……そして、それは、決して遠い未来のことなのではありません」と結ぶ。

登場人物

被告、弁護人、検事、原始人A、原始人B(女)、原始人C、証人(数学者)、証人(精神主義者)、特別弁護人、妻、夫、少女、歌手、TVドラマ要員

スタッフ

キャスト

脚注

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  1. ^ 「作品ノート18」『安部公房全集 18 1964.01-1964.09』(新潮社、1999年)
  2. ^ 『テレビ東京史 20世紀の歩み』株式会社テレビ東京

参考文献

  • 『安部公房全集 18 1964.01-1964.09』(新潮社、1999年)
安部公房の作品
小説

終りし道の標べに - デンドロカカリヤ - 夢の逃亡 - 壁 - バベルの塔の狸 - 赤い繭 - 洪水 - 魔法のチョーク - 事業- 飢えた皮膚 - 闖入者 - 水中都市 - R62号の発明 - 飢餓同盟 - 奴隷狩 - 盲腸 - 棒 - けものたちは故郷をめざす - 夢の兵士 - 鉛の卵 - 第四間氷期 - 使者 - 透視図法 - 石の眼 - チチンデラ ヤパナ - 無関係な死 - 砂の女 - 他人の顔 - 榎本武揚 - 時の崖 - 終りし道の標べに - カーブの向う - 人間そっくり - 燃えつきた地図 - 箱男 - 密会 - ユープケッチャ - 方舟さくら丸 - カンガルー・ノート - 飛ぶ男

戯曲

制服 - どれい狩り - 快速船 - 幽霊はここにいる - おまえにも罪がある - 友達 - 榎本武揚 - 棒になった男 - 未必の故意 - 愛の眼鏡は色ガラス - 緑色のストッキング - ウエー 新どれい狩り

評論・随筆

東欧を行く ハンガリア問題の背景 - 猛獣の心に計算器の手を - 砂漠の思想 - 裁かれる記録 映画芸術論 - 内なる辺境 - 発想の周辺 - 手について - 反劇的人間 - 笑う月 - 都市への回路 - 死に急ぐ鯨たち

詩集

無名詩集

テレビ・ラジオドラマ

煉獄 - お化けが街にやって来た - お気に召すまま - 吼えろ! - 虫は死ね - 審判 - こんばんは21世紀 - 目撃者

映画

おとし穴 - 砂の女 - 燃えつきた地図 - 友達

関連項目

安部真知 – 安部公房スタジオ

関連カテゴリ

安部公房 - 小説 - 戯曲 - 原作映画作品