第32回選抜高等学校野球大会決勝(だい32かいせんばつこうとうがっこうやきゅうたいかいけっしょう)は、1960年4月8日に甲子園球場において高松商業(四国・香川県)と米子東(中国・鳥取県)の間で行われた第32回選抜高等学校野球大会の決勝戦である。
試合概要
第32回選抜高等学校野球大会の決勝戦は、大会前から優勝候補の一角に挙げられていた高松商[1]と山陰地方の高校として、春夏通じて初めて決勝に進出した米子東の対戦となった。試合は両校のエース、高松商の2年生左腕・松下利夫(のち四国電力)と米子東の右腕・宮本洋二郎(のち巨人ほか)の投手戦となった。4回表に米子東が一死一・二塁から宮本の二塁打で1点を先制。その裏、高松商は二死三塁からパスボールで1-1の同点に追いついたが、その後は両校とも相手投手を攻略できず無得点が続いた。
そして膠着状態の中で迎えた9回裏の高松商の攻撃。この回の先頭打者、主将の山口富士雄(のち阪急→大洋)がカウント2-1から放った打球はレフトのラッキーゾーンに飛び込み、春夏通じて初めての優勝決定サヨナラ本塁打となった[2]。高松商は第1回選抜中等学校野球大会以来2度目の選抜大会優勝である。
スコア
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
米子東 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 |
高松商 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1x | 2 | 5 | 3 |
- (米):宮本 - 清水
- (高):松下 - 松田
- 審判
[球審]山本英
[塁審]鈴木、岩中、小西 - 試合時間:2時間12分
出場選手
米子東 | 打順 | 守備 | 選手 |
---|
1 | [遊] | 常藤幸治(2年) | 2 | [三] | 松本勝彦(3年) | 3 | [一] | 吹野勝(3年) | 4 | [捕] | 清水賢(3年) | 5 | [中] | 直江輝昭(3年) | 6 | [投] | 宮本洋二郎(3年) | 7 | [二] | 細川幸男(3年) | 8 | [左] | 細田俊次(2年) | 9 | [右] | 矢滝伸高(2年) | | 高松商 | 打順 | 守備 | 選手 |
---|
1 | [中] | 小泉俊一(3年) | 2 | [三] | 中山泰三(2年) | 3 | [遊] | 山口富士雄(3年) | 4 | [右] | 滝口紘史(3年) | 5 | [捕] | 松田正和(3年) | 6 | [二] | 石村稠(3年) | 7 | [投] | 松下利夫(2年) | 8 | [一] | 米沢武(2年) | | 一 | 紀井信行(3年) | 9 | [左] | 赤沢克昭(3年) | |
その後
参考文献
- 野球の島に四商ありて(著:結踏一朗、発行:四国4新聞社、1997年7月31日発行)
- 香川県立高松商業高等学校野球史(高商クラブ、1982年11月24日発行)
- ホームラン2016年9月号臨時増刊 歴代春夏甲子園メンバー表大全集 97頁、105頁(廣済堂出版 、2016年9月2日発行)
脚注
- ^ 野球の島に四商ありて131頁
- ^ 第32回選抜大会唯一の本塁打でもあった。